<高校野球・秋季九州大会:嘉手納4-2宮崎工>◇10月31日◇決勝◇宮崎サンマリン
初出場の嘉手納(沖縄2位)が宮崎工(宮崎2位)を破り、78年八代工以来となる初出場初優勝を成し遂げた。3回に吉田俊紀(2年)の三塁打で先制し、長打4本を含む10安打で4点。エース池原有(2年)は10安打を許しながらも宮崎工の反撃を2点に抑えた。すでに来春センバツ出場は当確。まずは九州王者として、14日開幕の明治神宮大会(神宮)に初出場する。
最後の打者は、三振で締めると決めていた。スライダーで空振りを奪うと、嘉手納のエース池原はガッツポーズのままマウンドにしゃがみ込んだ。九州大会で31年ぶりの初出場初優勝。「ここまで来られるとは思わなかった」と真玉橋(まだんばし)元博監督(41)。同じ沖縄のV候補・興南の陰に隠れていたダークホースが、主役に躍り出た。
宮崎工の地元での戦いは完全アウェー。それでも、ナインは元気いっぱいだ。3回1死一塁から1番吉田が先制の左越え三塁打。「直球を待っていたらカーブが来て『あいや~』と思ったけど、振ったら飛んだんです」とニコニコ。興南が準決勝で抑え込まれた宮崎工の変則左腕に10安打を浴びせて4点。「マシンと思って打て」という真玉橋監督の言葉通り攻略した。池原は10安打を浴び、3回から毎回走者を出したが、7回の2失点でしのいだ。
嘉手納中時代に全国優勝した池原と真謝(まじゃ)博哉(2年)のバッテリーは小3からのコンビ。県外からの誘いも断り「嘉手納で日本一になろうぜ」と誓った夢に1歩近づいた。「最後の夏は甲子園に行きたいと思っていたけど、興南が負けて自分たちが優勝するなんて」と池原は予定よりも少し早まった全国舞台に驚きも見せた。
沖縄の子らしい初体験もした。休養日に買い物に出かけ、生まれて初めて電車に乗った。「駅員さんに聞きながら乗りました。ワクワクしました」と山内昌伍外野手(2年)は言う。学校の隣はすぐ米軍基地。訓練の銃声が響いてくる。町の8割をベースが占める“基地の町”から全国へ。まずは東京・神宮だ。「全国の強いチームが集まるので自分たちのスタイルでいきたい」と池原。嘉手納ナインが持ち前のノビノビ野球で全国デビューを飾る。【前田泰子】


