今夏の北北海道大会決勝で投げ合った、旭川大高・柿田竜吾投手(3年)と帯広大谷高の杉浦稔大投手(としひろ、3年)の2人が9日、東都大学野球リーグ1部に属する国学院大に、スポーツ推薦枠で合格した。甲子園出場をかけて死力を尽くした2人が、来春からは同じ野球部で、力を合わせて大学日本一を目指す。

 「杉浦と一緒にやれるのは楽しみだし、励みになります」。甲子園出場をかけて戦ったライバルと同じ大学に進むことが決まったことを、柿田は素直に喜んだ。甲子園から帰道後、約1週間練習を休んだが、その後は自主的に新チームの練習に参加。次なるステップに備えている。

 夏の甲子園決勝が行われた8月24日と翌25日、国学院大の練習に参加した。北大会7試合で88奪三振を記録した怪腕も、練習を見て気持ちが引き締まった。「高校生とは雰囲気が違う。体づくりからやり直します」。そう誓いを立て、日々取り組んでいる。

 同大はプロ選手も数多く輩出。今年のリーグ戦は春季が5位、秋季が3位も、今年の明治神宮大会で秋季リーグを制した立正大が優勝するなど、レベルは高い。成長するには申し分ない環境に飛び込む教え子に、旭川大高の端場(はば)雅治監督(40)は「野球に対する取り組みは素晴らしい。もっと大きな人間になってほしい」とエールを送った。

 柿田は「杉浦と刺激し合って、早くベンチ入りしたい」と目標を掲げた。高校で達成できなかった日本一へ向け、全力で取り組んでいく。【中尾猛】