今春センバツ(3月21日開幕=甲子園)に出場する秋田商が21日、福島・いわき市での2日間の2次合宿を終えた。午前は霜の影響でグラウンド状態不良も、日差しが強く急速に回復。午後からは待望の紅白戦を行い、打撃陣が順調さをアピールした。0-7で敗れた昨年11月の明治神宮大会・高岡商(富山)戦以来となる約3カ月ぶりの実戦形式の練習で、冬場の振り込みの成果を発揮していた。

 土の上で野球ができる喜びを、ナインは豪快なスイングで表した。13、14日のいわき1次合宿、20日の3日間は天候不良でグラウンドが使えなかった。そのうっぷんを晴らすかのように快音を響かせる。昨秋の東北大会で26回連続無失点のエース片岡元気(もとき、2年)から4連打で3点を奪取。太田直監督(30)は「外での打撃は久々だったので不安もあったけど、思った以上だった」と胸をなで下ろした。

 昨秋の東北大会4試合と神宮大会1試合で、打線はわずか7得点。貧打に悩んだ。「打ち勝つ」を合言葉に、今月は1人1日1000スイングに挑戦。到達するまで帰宅できない。この日、大飛球を連発した松橋龍生三塁手(1年)はノルマ以上の数を振ってきた。昨夏の新チーム結成後は4番だったが、打撃不振で5番に降格。「人より振って4番を打ちたい」と「指定席奪回」に意欲をみせた。

 雪深い秋田での練習に加え、公立校ゆえに遠征費も潤沢とはいえない。3月1日から10日間はテスト期間のため、練習時間も約2時間と限られる。「雪かきしてでも土の上でやって、甲子園に行きたい」と太田監督。乗り越えた苦難の数だけ力をつけて、聖地に乗り込む。【湯浅知彦】