<春季高校野球:東海大会:静岡2-3県岐阜商>◇22日◇準決勝◇愛知・小牧市民球場

 県王者の静岡は、県岐阜商(岐阜1位)に延長11回2-3でサヨナラ負けした。先発の横手投げ右腕・竹内旭投手(3年)が3失点の力投だったが、打線が序盤のソロ本塁打以降に沈黙。延長11回裏2死二塁から右前打を浴び力尽きた。決勝進出は逃したが、センバツ8強の中京大中京(愛知)に逆転サヨナラ勝ちし、古豪・県岐阜商と互角に渡り合った。センバツ不出場に終わった県勢にも希望を与える、健闘だった。

 小林祐貴右翼手(3年)からの返球は、間に合わなかった。二塁走者が本塁に滑り込んだ瞬間、静高ベンチからため息が漏れた。逆転サヨナラの歓喜に沸いた前日から一転。延長11回に力尽きた。小林は「増田(圭汰)の喜ぶ顔が見られなくて残念です」と、骨折して入院中の仲間に謝った。

 前日の勢いのまま初回先頭の高階隼内野手(2年)が初球を左翼席に放り込んだ。追いつかれた2回には小林が再び左にソロ。連日の長打攻勢で流れに乗ったかに見えた。だが「本塁打を見て、飛ばそうという意識が少なからずあった」と板倉健人主将(3年)。淡泊な打撃で凡フライを重ねた。栗林俊輔監督(37)は「低めのボール球をぶんぶん振ったり、フライを打ち上げていては、攻略の糸口は見つからないと本当に分かったと思う」と話した。

 34年ぶりの決勝進出は逃した。だが、5年ぶりの東海大会は、ナインに自信も植え付けた。センバツ8強の中京大中京に競り勝ち、この日も春夏通算20度の甲子園出場を誇る県岐阜商に、2番手投手の竹内旭が11回を3失点。最後まで競った。昨秋県勢が8強止まりだった東海大会で堂々と渡り合い「普通に投げれば打たれないと分かった」と竹内旭。この日は5安打だったが、打線は2試合16安打のうち8本が長打だった。板倉主将は「どんな相手でも、自分たちの野球ができれば勝てるという実感ができた」と振り返った。

 春の県王者(第1回の54年度以降)が夏を制したのは65年東海大一、97年浜松工の2校だけ。データは不吉だが「やってきたことを磨きつつ、プラスアルファを加えることが、ジンクスを破ることにつながる」と栗林監督。昨秋は県大会初戦敗退。春は中部5位から県大会優勝へと駆け上がり、強豪ぞろいの東海4強を手にした。急成長する名門は、県内球児に全国レベルは、そう遠くないことを教えてくれた。【今村健人】