静清のノムビッシュが大きくなって朗報を待つ!

 第83回選抜高校野球大会(3月23日開幕、甲子園)の出場校選考会が28日、大阪市内で行われる。県勢では静清の初出場が確実。その原動力となったエース野村亮介(3年)が秋季東海大会準優勝当時より2センチ伸びて、189センチになったことが、明らかになった。大型右腕はますます大きくなって、甲子園への切符を手にする。

 野村にお願いして、日刊スポーツ静岡支局から持参したメジャーで身長を測らせてもらった。当然、非公式の数字だが目盛りは189・2センチを指した。秋季大会での公式記録は187センチ。「伸びていないと思ったんですけど、伸びてましたね。ご飯はたくさん食べていましたけど…」と苦笑した。少々、強引な計測だが野村は着実に大きくなっている。体重は秋よりも2キロ増。センバツまで5キロを目標にサイズアップを図っている。ナインが親しみと期待をこめて「ノムビッシュ」と呼ぶ長身エースだ。本家ダルビッシュの196センチには及ばないが、しなやかな右腕の振りにパワーが加われば、鬼に金棒の大器でもある。

 140キロの直球と多彩な変化球を武器に、昨秋は公式戦10試合に登板し、県大会を制し、東海大会では準優勝に導いた。東海大会決勝で大垣日大(岐阜)に敗れて実感したことがある。「このままでは甲子園で勝てない」。厳しい練習をこなし、甲子園仕様へと準備を進めている。光岡孝監督(32)も「野村だけではないが、どれだけ成長するかが鍵になってくると思う」と、開幕までの飛躍を期待している。

 今年に入って22日からブルペンでの投げ込みを開始。センバツに合わせて例年よりも早めに始め、毎日70球を投げ込んでいる。出場発表前日でも「特に意識はない」という。それでも「コーチからは『バランスよく投げられている』と言ってもらえている。ここから徐々に上げていきたい」。甲子園が終わりじゃない。ノムビッシュの伝説は甲子園から始めたい。【栗田成芳】