センバツ(23日開幕)に出場する北海(北海道)のエース右腕、玉熊将一投手(1年)が、チェンジアップに活路を見いだす。2日、同校で選抜代表旗が授与された。甲子園への意欲を新たにした玉熊は、8日からの直前合宿(岐阜)で新球種を完成の域に到達させるつもりだ。

 チェンジアップにチャレンジしたのは2月中旬から。玉熊は「まだ5割以下、これからです」とまだ完成途上。それでも自分のものにしつつあり、9日の中京、翌10日の岐阜一との練習試合で試す予定だ。玉木昂太捕手(2年)は「短期間で良く覚えた。あとは実戦で試すだけですよ」と楽しみにする。

 直球は130キロ台と決して速いほうではない。直球の内角攻めにカーブ、スライダーのコンビネーションで打たせて取る。昨年11月、明治神宮大会初戦の日大三(東京)戦では、自信を持って投げた内角直球を右翼席に運ばれた。トップレベルは今までの投球だけでは抑えきれないことを体感した。

 その後に平川敦監督(39)が「もうひとつ球種を増やしたら」のアドバイスもあり、新球を甲子園勝利への課題としていた。平川監督は「実戦で玉熊がどうなのかな」と期待を込めて待つ。チェンジアップをマスターすれば大きな武器になることは間違いない。【中尾猛】