<全国高校野球選手権:新湊4-1龍谷大平安>◇10日◇2回戦

 龍谷大平安(京都)のスーパー2年生・高橋大樹外野手が名刺がわりの1発を甲子園に残し、初戦で姿を消した。新湊(富山)戦の6回、左翼へ高校通算26号となる豪快な同点アーチ。1-4で敗れたが、来秋のドラフト候補として銀仁朗2世は強烈な印象を残した。

 背中にバットが付くほど、思い切り振った。1点を先制された直後の6回。2年生4番の高橋が、初球の131キロ直球を強振し、左翼席にぶち込んだ。甲子園にどよめきが起こった。

 高橋

 つなごうと思っていました。ストレートがくる気がして狙っていました。感触は完璧でした。

 初甲子園の3打席目で、早速「名刺代わり」の1発を見せつけた。1回の三塁強襲内野安打、8回の左前打と合わせて3安打。京都大会では準決勝で2打席連発を放つなど、OBの西武銀仁朗が持つ1大会4本塁打の京都記録にあと1本と迫っていた。鮮烈甲子園デビューで「スーパー」と名の付く大砲ぶりを証明した。

 そんな豪快な打撃からは想像もつかない天然な一面もある。吹田市内のチーム宿舎。和式トイレの個室に入った高橋だが鍵をかけ忘れていた。ドアを開けた3年の松下が一般的な座り方とは逆方向にお尻を向けている「珍光景」を発見。理由は謎だが、持ち前の天然ぶりを発揮し、いじられキャラとしてチームメートに愛されている。

 高橋の1発のみの1得点でチームは初戦敗退。「銀仁朗2世」は今夏強烈なインパクトを残し聖地を去ったが、甲子園出場のチャンスはまだ2度ある。

 高橋

 3安打打っても負けたら意味ないです。負けて3年生と野球でけへんと思ったら涙が出てきました。来年また帰ってきてもう1本打ちたいです。

 来夏、いや来春まで、どこまで成長するのか。再びマンモスを沸かせてくれる日が待ち遠しい。【岡本亜貴子】

 ◆高橋大樹(たかはし・ひろき)1994年(平6)5月11日、大阪・藤井寺市生まれ。道明寺小3年から「大井リバーサイド」で軟式野球を始める。道明寺中では「河南シニア」で捕手として硬式野球を始める。全国大会に2度出場し、全日本選抜にも選出された。龍谷大平安では1年秋から背番号12でベンチ入り。50メートル走6秒0。好きな選手は巨人長野。180センチ、75キロ。右投げ右打ち。