<高校野球秋季東北大会:古川学園11-10能代商>◇9日◇2回戦◇秋田・こまちスタジアム
古川学園(宮城)が、奇跡の大逆転劇で8強進出を決めた。今夏の甲子園で16強入りした能代商(秋田)に、7回表終了時で0-10とされたが、そこから猛反撃。コールド負けの窮地から追いつき、延長11回にサヨナラ勝ちした。
誰がこんな結末を予想しただろうか。6回まで打者18人、わずか2安打に終わっていた古川学園が7回、「確変」を起こす。0-10という絶望的なスコアボードを見ても、小野寺愛彦主将(2年)は「野球は9回まで分からない。甲子園に出ている学校でも、同じ高校生」と本気だった。先頭の1番黄海悠馬外野手(2年)が四球で出塁し、3連打などで一挙5点。「宮城が情けないと言われたくない」(小野寺)という意地だった。
あと2イニングで5点差。コールド負けは脱しても、まだ崖っぷち。だが、あきらめない。8回、4番工藤藏嗣外野手(2年)が、左越え3ランで2点差に迫る。先発9人中5人が故障を抱え、チームは野戦病院と化していた。1年前から腰痛を抱える工藤は「痛みはきつかったけど、みんなと野球がしたかった」と、痛み止めを飲んで強行出場。9回に同点の2点適時打を放つなど、5安打6打点と歯を食いしばった。劣勢にもケガにも屈しない精神力が、ボロボロの体を突き動かしていた。
福岡梓監督(49)は試合前、「勝つとすれば終盤。負けるとすればコールド」と見ていた。読み通りの結果となったが「選手の底力でしょう」と素直に選手の粘りをたたえた。毎試合、ナインは円陣で声を合わせる。「やればできる。絶対できる。必ずやる。絶対やる」。口に出すだけじゃない。有言実行の執念が、古川学園にはあった。【今井恵太】

