第84回選抜高校野球大会(3月21日開幕、甲子園)に出場する北照(北海道)が17日、第1次千葉合宿から帰道後の練習を地元小樽市内で再開した。同合宿には東都大学リーグ18度優勝の名門・亜大をこの春卒業するOB荒川大輔さん(22)が同行。3月の沖縄、和歌山合宿を含めて本番まで帯同させ、亜大伝統の機動力野球をたたき込むことになった。
8日ぶりの室内練習で、約4時間が経過した時だった。北照・河上敬也監督(52)がナインを集めた。セーフティーバント練習に入る前。指揮官は15日まで行った千葉合宿の反省を込め、このバントの意味を語り始めた。「紅白戦3試合で、セーフティーバントが少なすぎた。1試合3個から5個は必要」と諭すように話した。
真剣なまなざしで続けたのは、基本的な3つの意図。(1)走者として出塁する(2)チャンスを広げる(3)相手の意表を突く-、の説明を加えていった。現チームは勝負どころで、1発長打が期待できないとみている。だからこそ、戦略的にカギを握るのがバントや足を絡めた機動力になってくる。
昨秋の明治神宮大会。河上監督はあえて、大学の部に出場していた亜大の試合をナインに観戦させた。派手さはないが基本に忠実で、機動力から勝負を仕掛けるプレーを見習ってほしいという思いからだった。ベンチには外野手登録のOB荒川さんも控えており、選手には身近に感じられると判断した。
そんな亜大流の野球を導入するため、卒業を前にした荒川さんに指導を依頼。今回の千葉合宿から合流させた。「全国優勝を目指しているチームにしては意識が低い」。荒川さんはプレー以前に「緩み」が気になった。亜大では4年生自ら施設の清掃、整備などを行い、ダメな場合は責任を取るのが慣例。まずは目指す機動力野球を成し遂げるため、日常生活の重要性を経験に照らして教え込んだ。
貴重なOBコーチは今日18日も、札幌・日本ハム室内練習場での調整に合宿に続いて姿を見せる。2番打者の西谷圭祐二塁手(1年)は「バントやバスターのコツを教えてもらった」と先輩の助言を胸に、小技に磨きをかけている。吉田雄人中堅手(1年)は「知らないことがいっぱい。亜大野球をもっと覚えたい」と貪欲な姿勢を見せていた。【中尾猛】

