<春季高校野球宮城大会:東北工大高7-5東北>◇20日◇2回戦◇Kスタ宮城

 東北工大高が、東北から“金星”を挙げた。6回に一挙4点を奪って逆転し、逃げ切った。東海大相模高(神奈川)で、巨人原辰徳監督(53)の1学年下の角(かく)晃司監督(52)が就任して丸3年。甲子園常連校を3度目の挑戦で撃破し、夏に向けても自信を深めた。

 「勝ちに不思議の勝ちありって野村監督が言ってましたけど、本当にあるんですね」。東北工大高の角監督は、楽天元監督・野村克也氏(76)の名文句を引き合いに出し、表情をほころばせた。09年5月に就任し、東北との対戦は3度目。コールド負け(10年春)、僅差での敗戦(同年秋)ときて、1年生から見てきた今年の選手たちが、逆転で甲子園常連校を下した。

 異色の経歴を持つ。高校、大学の1学年先輩には巨人原監督がいた。東海大相模では、2年時から6番左翼のレギュラーだった。社会人野球で現役を引退した後は、社業に専念。だが、関係者を伝って舞い込んだオファーに「ずっと指導者をしたかった」と受諾した。原監督からは東京ドームの監督室に招かれて激励され、昨年末には「8強じゃダメだ。まず4強の常連になれ」とハッパをかけられた。

 ひょうたんのようになれ-。「オヤジ」と呼ぶ原貢・東海大野球部顧問(77)の言葉だという。学生時代の恩師からの「人間は緩む時と膨らむ時がある。そのメリハリが大事」という教えを、子どもたちに伝承する。この日、安打は相手を1本下回る11安打。そこに5失策が重なったが、選手は最後まで底抜けに明るかった。「数えたら9個はエラーがあった。普通シュンとするのにね。今日は膨らみっ放しだった(笑い)」と角監督。母校と同じ縦じまに新調したユニホームで、初の4強入りに挑む。【今井恵太】