<高校野球春季北海道大会:旭川西1-0網走桂陽>◇30日◇1回戦◇札幌円山

 旭川西は網走桂陽に競り勝ち、初出場勝利を飾った。

 旭川西のブレないエース、笠井崇正投手(3年)が、完封一番乗りで歴史の扉を開いた。網走桂陽を1-0で破り、春の全道初勝利を挙げた。9回裏2死満塁で7番遠山を迎えフルカウント。しびれる場面にもまったく動じない。ど真ん中に迷いなく自慢のストレートを投じると三振に切って取った。「地区予選の決勝も同じような場面だったし、緊張はしなかった。やることは同じ」と涼しい顔だった。

 今冬、腰痛を発症し、病院で体の硬さを指摘された。ストレッチと体幹強化を毎日の日課にし、この日の9回5安打11奪三振の力投につなげた。林英敏監督(39)は「笠井が収穫だった」と褒めちぎった。尊敬するプロ野球・楽天元監督の野村克也氏(76)の言葉を胸に秘める。「強いものが勝つのではなく、勝ったものが強い」。公立校が春に下克上を告げる。