<春季高校野球近畿地区大会:大阪桐蔭4-0智弁学園>◇3日◇決勝◇明石トーカロ

 センバツ王者の大阪桐蔭が智弁学園(奈良)に快勝して8年ぶり2度目の優勝を飾った。選抜大会決勝・光星学院(青森)戦以来の先発マウンドに上ったエース藤浪晋太郎(3年)が7回を6安打7奪三振無失点で、沢田圭佑(同)と完封リレー。今年の公式戦は無敗の16連勝。史上7校目の春夏連覇を目指して夏の大阪大会に臨む。

 藤浪の先発復帰戦で、春の近畿王者を決めた。夏への調整途上でも、出した結果はエースの投球。昨夏甲子園8強打者が残る智弁学園打線を7回6安打無失点に抑え、腕が振れだした中盤は最速150キロをマーク。今春、軸で投げ続けた沢田が8、9回を無失点に封じ、今年2冠目を手にした。

 藤浪は「久しぶりの先発で難しかったけれど、粘ることが出来ました」。4月4日のセンバツ決勝を最後に試合から遠ざかった。空振りを取れる球のキレと質、左肩が開かない安定した投球フォームを支える体づくりを求め、大阪・大東市内の坂道を走り込んだ。

 5月中旬にシート打撃で投げ始め、近畿大会1回戦・東洋大姫路(兵庫)戦で2回無失点。まだワインドアップの投球がしっくりいかず、この日はセットで通した。ただ捕手の森友哉(2年)は「スライダーはセンバツ以上のキレが出てきましたし、カーブ、チェンジアップの制球もよくなりました」と取り組みの成果を明かした。

 決勝を控えた前夜、ナインは「ここで負けたらセンバツで優勝した意味がなくなる」と気を引き締め合った。無敗で、大阪8、甲子園6試合を迎える。「ここから14連勝を目指します」。藤浪が覚悟を決めた。【堀まどか】