<春季高校野球東北大会:盛岡大付10-9花巻東>◇9日◇準々決勝◇青森市営野球場

 戦国岩手-。4年ぶりの夏の甲子園出場を目指す盛岡大付(岩手)が、両軍合わせて26安打の打撃戦を制し、花巻東(岩手)を下した。県大会準決勝に続くライバル撃破で、冬場に鍛えた自慢の攻撃力に自信を深めた。

 「猛打の盛岡大付」を印象づけるにふさわしい1勝だった。両チーム合わせて6本塁打が飛び交った空中戦。決着をつけたのは、頼れる主砲の1発だった。9-9の8回。4番二橋大地内野手(3年)が、決勝ソロを左翼席へ放り込んだ。3安打3打点と打線をけん引し「花巻に打ち負けたくなかった」と胸を張った。

 1回に4点を先取されたが、今の盛岡大付にとっては、何てことのない点差だった。「焦りはなかったし、取り返せる自信があった」(二橋)。その裏、3番佐藤廉外野手(3年)、5番菜花大樹(1年)の2本塁打で1点差に詰め、3回の4連打であっさり逆転。7回、逆転3ランを浴びた左腕エース出口心海(3年)が、自らのバットで同点打を放った。関口清治監督(35)は「ノーガードの打ち合いでもいけるのが分かったのが大きい」と相手(12安打)を上回る14安打の猛攻に手応えをつかんだ。

 昨秋の県大会準々決勝で花巻東に敗れた後、光星学院・金沢成奉総監督(45)に打撃指導を仰いだ。「岩手に猛打、豪打のチームがあってもいいんじゃないか」と既存の打撃を捨て、根本から全てを見直した。「強力打線」の4文字が、すっかり板についてきた盛岡大付。絶対的エース出口と打線がかみ合えば、4年ぶりの夏の甲子園切符は手中にできる。【今井恵太】