全国高校野球の東・西東京大会の組み合わせ抽選が16日、都内で行われた。西東京はプロ注目の大高光投手(3年)を擁する第1シード日大鶴ケ丘が、ノーシードながら優勝候補の日大三、早実と同ブロックとなり会場がどよめいた。

 恐れていた事態が現実となったが、エース大高で「死のブロック」を乗り越える。日大鶴ケ丘は第1シードながら、昨年準決勝で敗れた日大三、一昨年決勝で敗れた早実と同ブロックに入った。一昨年春の公式戦から、西東京ではこの2校以外には全勝中。抽選に臨んだ佐藤健人主将(3年)は「汗が止まらなかったです。いつか当たるし、割り切るしかない」と苦笑いした。

 今年は切り札がある。188センチの長身から最速143キロを投げ下ろし、既にプロ8球団が視察に訪れている大高だ。昨年12月に東京都選抜の一員として東都大学選抜戦に先発し、2回2奪三振無失点で注目を浴びた。今春の公式戦では33回2/3で38三振と、奪三振率は驚異の10・15。「直球で押す投手と思ってない」と変化球も得意で、スライダーはレンジャーズ・ダルビッシュの腕の角度、チェンジアップは巨人杉内の腕の振りを参考にした。

 指先が繊細で、特技はピアノという芸術家肌。ショパン、リスト、Mr.Childrenを好み、学校で腕前を披露したこともある。「敵によって戦い方を変えることはない。大事な試合は自分がいくしかない」。強敵相手にもリズムのよい投球を見せる。【斎藤直樹】