第94回全国高校野球選手権大会(8月8日開幕、甲子園)の大阪、宮崎、宮城大会の組み合わせ抽選会が22日、各地で行われた。大阪では選抜大会を制した大阪桐蔭が、7月14日の1回戦・千里戦で春夏連覇に向けて発進。選抜大会1回戦で右手首を骨折した主砲の田端良基内野手(3年)も戦列復帰し、軸に座る。

 おかわり2世・田端が戻って来た。春季近畿大会大阪府予選はベンチを外れた。復帰戦は6月4日の練習試合・作新学院戦。そこから5試合で通算19打数7安打1打点、3割6分8厘と、勝負強さは健在だ。

 作新学院戦の前、西谷浩一監督(42)がナインに告げた言葉が忘れられない。「きょうは田端のための試合やぞ」と話し「5番一塁、田端」を発表。監督の期待に応えたい一心で初打席の初球を中前打にした。4打数2安打を記録し同日の帝京戦は4番に復帰。大阪桐蔭が再び一丸でスタートを切る起点になった。

 右手の握力は落ちなかった。ただ「まだ自分のスイングにボールが入ってくる感覚がない」。長打力が戻らず、通算本塁打は甲子園で花巻東・大谷翔平(3年)から放った24号のまま。だが西谷監督は「4番を打ってもらいたい」と完全復活を信じる。「チームの力になりたい」。骨折後も笑顔を絶やさなかった田端が、鬼の形相でバットを振り続ける。【堀まどか】