<高校野球岩手大会:花巻東9-1水沢工>◇13日◇3回戦◇岩手県営野球場

 今秋ドラフトの超目玉右腕、花巻東・大谷翔平投手(3年)が、今夏初マウンドで自己最速の153キロをマークした。3回戦水沢工戦の7回から登板。外角低めに外れたボール球ながら、西武スカウトのスピードガンでは自己最速を2キロ更新していた。この日投じた15球すべてが直球で、常時140キロ台後半をマークした。変化球のサインには首を振った。佐々木洋監督(36)は「力まず、精度の高い真っすぐを投げたかったんじゃないか」とエースの心意気を感じ取った。

 センバツでは、力みからフォームが崩れ制球が乱れた。春は「上体が前に突っ込みがちになる」という理由でワインドアップを封印し、セットポジションで投げていた。だが、しなやかなフォームで「上からたたく」という感覚を取り戻しつつあり、この日は本来のワインドアップで最速を記録した。

 大谷は「今日は7割くらい。尻上がりに上がっていくと思う」と話した。大会本部のガンでは3度156キロを計測したが、これはファウルの打球速度に反応したものと思われる。しかし、現実となっても何ら不思議はない。【今井恵太】