<高校野球大阪大会:大阪桐蔭14-0牧野>◇19日◇2回戦◇住之江

 全国最強打線に、主砲が戻ってきた。先制、中押し、ダメ押し打。1回戦・千里戦の3打数1安打1打点に続いてこの日は3打数3安打4打点。圧勝のコールド勝ちに、4番田端良基内野手(3年)は欠かせなかった。

 「(1番打者の)森が初球を打って、流れがこっちに来ていると思った。絶対にかえしたかった。バッティングは1回戦よりよかった。でもまだ左方向へのファウルが多いのは納得できないところですが」と振り返り、田端は大粒の汗をぬぐった。意識して身体を絞り、今は81キロ。1年前比で14キロ、今春比でも4キロ減らしてすっきりした体に、今夏への思いが表れる。

 4番田端の選抜大会は、わずか1試合で終わった。3月21日の開幕戦・花巻東(岩手)戦で、相手エース大谷翔平(3年)から高校通算24号。喜んだのもつかの間、死球で右手首を骨折。それでも田端は不屈だった。ギプス固定で4番の仕事は出来なくなったが、笑顔でナインを励まし、頼れる主砲であり続けた。センバツ制覇を陰に日なたに支えた。

 この日も左肘、臀部(でんぶ)と2打席連続で死球を受けた。「熱くなるより、笑っていた方がいい。甲子園でも笑っていたでしょ」と笑顔で一塁に走った。全5打席で出塁した。

 顔色を変えたのは大谷の160キロを伝え聞いたとき。「マジですか!?」と仰天した。対戦した4カ月前よりまた大谷はすごみを増したのか?

 それを確認できるのは再戦だけ。「甲子園でまた当たることができれば」。また全力で、怪物右腕に立ち向かうだけだ。【堀まどか】