<高校野球広島大会:盈進3-0新庄>◇25日◇準決勝◇マツダスタジアム

 盈進が新庄に勝ち、34年ぶりに決勝進出を果たした。

 7四球、3死球と大荒れだった。「力みはありました。でも、最後まで粘って投げたいと思っていました」。盈進・谷中文哉投手(3年)は164球で、9回まで1人で投げきった。完封勝利。チームを34年ぶりの決勝へ導いた。

 走者を背負うとギアを上げた。最速145キロの直球を武器に、コースを丁寧に突いた。昨年まで能力を認められながらも自滅することが多かった。昨夏に就任した正田靖人監督(38)から「マウンドでは表情を変えないように」とアドバイスを受けてから、冷静さを身につけた。

 バックネット裏にはプロ6球団のスカウトが陣取った。エースは「腰に疲れはあるけど、腕はあまりないです。決勝のマウンドにも立ちたい」と意気込む。甲子園へあと1歩。3連投で盈進を38年ぶりの甲子園に導くつもりだ。