<高校野球鹿児島大会:神村学園11-3鹿児島実>◇28日◇決勝◇鴨池

 神村学園が鹿児島実に快勝し、2年連続3度目の夏出場を決めた。

 最後はこん身の直球で攻めた。残る力をすべて振り絞って最後に空振り三振を奪うと、神村学園のエース柿沢貴裕投手(3年)は両手で拳を作り雄たけびをあげた。「最後は直球でいこうと捕手と話していたんです」。最後に自己最速タイの148キロをマークして、自身3度目の甲子園を決めた。

 秋から九州で負けなしの無敵軍団は決勝でも圧倒的な強さだった。準決勝まで無失点を守ってきたエース柿沢は、この夏初失点したが危なげない投球で、7回には左腕の平藪樹一郎投手(3年)にスイッチした。9回に再びマウンドに戻ると、3人で試合を締めくくった。8回にはこの夏3本目となる特大の右翼越え本塁打を放つなど、投打でチームを引っ張った。

 センバツ後、エースナンバーを任された。夏はエース・4番として大黒柱の働きをした。新チームスタート時には2ケタの背番号。「悔しかった。夏のエースがずっと目標でした」。念願のエースナンバーを背負い、チームを引っ張ることを意識してきた。

 昨夏は初戦敗退。センバツは高崎健康福祉大高崎(群馬)に2回戦で敗退。「目標は優勝です」。柿沢は「全国制覇」と書かれた帽子のつばをギュッと握った。【前田泰子】

 ◆柿沢貴裕(かきざわ・たかひろ)1995年(平7)1月30日、東京都生まれ。小1から野球を始め、神村学園中等部へ進学。神村学園リトルシニアでは中3の夏全国8強入り。高校では1年秋からベンチ入りし、昨夏の甲子園で1試合に登板した。好きな投手は広島今村。178センチ、80キロ。右投げ左打ち。

 ◆神村学園

 1965年(昭40)串木野商業女子として創立された私立校。90年から現校名。97年に男女共学となり、文理科、普通科、看護学科、保育科がある。生徒数は1355人(女子1120人)。野球部は03年創部で部員数は59人。05年センバツ初出場で準優勝し春は3度出場。夏も3度目。卒業生に西武野上、女子サッカーロンドン五輪代表GK福元美穂がいる。女子硬式野球部は全国制覇経験がある。所在地は鹿児島県いちき串木野市別府4460。大囿了校長。◆Vへの足跡◆2回戦8-0樟南二3回戦2-0穎娃4回戦9-2池田準々決勝6-3鹿児島工準決勝4-0加治木工決勝11-3鹿児島実