<全国高校野球選手権:組み合わせ抽選会>◇5日◇大阪国際会議場

 3年ぶり10度目の酒田南(山形)は、下妻貴寛主将(3年)が選手宣誓を務めることが決定。大会7日目の第1試合で明徳義塾(高知)に挑む。

 酒田南・下妻主将が、見事なまでの強運ぶりを発揮した。阿彦祐幸監督(40)から「一生に1度なんだから」と背中を押されて立候補した25人による選手宣誓のくじ引き。「当たらないだろう」と思って封筒を開けると、「当選」の2文字が…。正月のおみくじで大吉を引き当てていたとはいえ、あまりの引きの強さにその場で固まった。

 今春センバツの石巻工・阿部翔人主将に続き、東北勢が2季連続で大役を務める。センバツ開会式の様子はニュース番組で見たといい「素晴らしかった。やるからには、自分も良い宣誓をしたい」。人生初、まして突然の決定に困惑しながらも「東北は被災地なので、そういった言葉も入れられたらいいのかなと思う。プレーする姿で、勇気や希望をもってもらえれば」と、浜風に東北地方の思いを乗せる。

 下妻自身にも最高の抽選。初戦を迎える中では最後の大会7日目。山形大会決勝で左すねを負傷して全治2、3週間の筋断裂と診断されていただけに、開幕序盤だけは避けたかった。「もう大丈夫」と今日6日から徐々にピッチを上げていく。対戦する明徳義塾(高知)は、02年夏に0-5で敗れているが「強豪校だけど、意識せずにやりたい」。良い流れに乗り、05年以来の初戦突破を狙う。【今井恵太】