<全国高校野球選手権:光星学院9-4神村学園>◇18日◇3回戦

 完敗だった。昨秋から九州で負けなしの神村学園(鹿児島)が2大会連続準Vの光星学院(青森)に力負け。昨秋、明治神宮大会でタイブレークで敗れた相手にリベンジすることはできなかった。

 柿沢貴裕投手(3年)はいきなり先頭打者に本塁打を浴びた。さらに1死一塁で北條に2ランを浴び、3回には田村に左中間中段へ運ばれた。神宮では北條に人生初という満塁本塁打を打たれ、この日の1試合3本塁打も初めて。「内も外も変化球にも対応してきて本当にいい打者ばかりでした。真っすぐ勝負であそこまで飛ばされた。力不足です」。2回1/3で平藪と交代し左翼へ下がった。

 この日は母成美さん(44)の誕生日だった。早朝の新幹線で東京から応援に駆けつけていた。鹿児島大会へ応援に来れない成美さんに「県大会は来なくていいよ。甲子園に来てくれたらいいから」と話していた。約束は守ったが、誕生日に勝利を贈れなかった。

 8回1死で再登板。9回2死で打席に立った田村が「直球で勝負してこい」と言ってきた。最後は142キロの直球で右飛に打ち取った。「プロに行きたい。プロでもう1度勝負したい」。柿沢はさらに上の舞台でリベンジを誓った。

 ◆柿沢貴裕(かきざわ・たかひろ)1995年(平7)1月30日、東京都生まれ。小1から野球を始め、神村学園中等部へ進学。「神村学園リトルシニア」では中3の夏全国8強入り。高校では1年秋からベンチ入りし、甲子園は昨夏、今春と3季連続出場。好きな投手は広島今村。178センチ、80キロ。右投げ左打ち。