<練習試合:関学大5-5高校日本代表>◇27日◇大阪・関学大上ケ原グラウンド

 第25回IBAF18U世界野球選手権(30日~9月8日、韓国・ソウル)に参加する高校日本代表はこの日、兵庫・西宮市内で関学大との練習試合を行い、引き分けた。

 大谷が2試合連続の3安打と足でチームを救った。1点を追う9回、花巻東(岩手)・大谷翔平投手(3年)が安打で出塁後、相手のわずかなスキをついて同点のホームを踏み、黒星を消した。

 4番指名打者で3安打1打点。2点を追う7回に適時打で反撃態勢を整えた。4-4の同点直後、8回から登板の大阪桐蔭・藤浪晋太郎(3年)が勝ち越しを許した。チームが追い込まれた9回、これまでと違う才能で救世主になった。

 1死満塁で浦和学院(埼玉)・笹川晃平外野手(3年)が中堅へ浅い飛球を打ち上げた。三塁走者の大谷はタッチアップを自重する構えから、本塁返球が本気でないと見てとるや、一気にスタート。相手のスキを見逃さない好走塁で、同点ホームを踏んだ。今年初の敗戦を免れた藤浪も「スキをついたプレーですごいです」と目を見張った。

 藤浪、大谷の競演に駆けつけた9球団24人のスカウトも騒然。楽天吹石スカウトが「センスが違う。あんな走塁はなかなか出来ない」とうなれば、ソフトバンク永山スカウト部長は「とにかく背番号1がよく似合う。背番号1にふさわしい」と絶賛。プロが連日、大谷に声を失う。

 「田村君と北條君の間で緊張しました。走塁は、花巻東でやっていることをやれました」と大谷も胸を張った。登板時は5番、指名打者で先発する際は4番が濃厚。際立つ存在感で大谷が世界選手権を席巻する。【堀まどか】