<高校野球IBAF18U世界選手権:日本7-1イタリア>◇3日◇予選第1ラウンド◇韓国・木洞

 高校日本代表がイタリアを下し、A組上位3チームと対戦する予選第2ラウンド進出を決めた。巨人、阪神などが今秋ドラフトの上位候補として注目する高橋大樹外野手(3年=龍谷大平安)は、3打数2安打と気を吐き、打率はチームトップの5割8分3厘。初先発となった台湾戦から3試合連続で長打を放ち、A組1位通過が濃厚な韓国の偵察隊を「気を付けないといけない」と警戒させた。

 前日2日のパナマ戦から5番に座る高橋が、その地位を不動のものにしつつある。2回、外角の直球を強振して右中間へ二塁打を放つと、3回には左前へ運んだ。初先発の台湾戦から3試合で12打数7安打と打ちまくり、大谷らの強打者を抑えて打率はチームトップ。「バットにも、だいぶ慣れてきました」と汗をぬぐった。

 チームのため、貪欲に取り組んできた結果だった。8月下旬の国内合宿では木製バットへの対応に苦しんみ、高校通算43発のパンチ力も鳴りを潜めていた。だが、小倉全由監督(55)のアドバイスで、寝かせていたバットを縦に立てるフォームに変更。さらに北條の助言で、右手の小指を左手にかぶせた。「ヘッドが前に出るようになった。監督に言われて、バットがスッと(最短距離で)出るようになった」と、台湾戦から3戦連続で長打をマーク。阪神山本スカウトも「振れてきたし、木のバットにも慣れてきた」と目を細めた。

 予選第2ラウンド最大のライバルと目される韓国はこの日、5人の「007」を投入。最も注意すべき打者として「5番のタカハシが調子がいいね。気を付けないといけない」と警戒した。マークが厳しくなることが予想されるが、高橋のバットが火を吹けば、日本の初優勝もグッと近づいてくるはずだ。【今井恵太】