<高校野球IBAF18U世界選手権:日本5-10米国>◇7日◇予選第2ラウンド◇韓国・木洞

 これが、世界大会の洗礼なのか。日本の小倉全由監督(55)は、世界一を逃したことへの悔しさよりも、激しいクロスプレーをいとわない米国に憤っていた。「ああなったら野球じゃない。1位進出できない悔しさもあるが、これが国際試合なのか、と」。怒りは収まらず「あのプレーで(流れが)おかしくなった。あれは、日本の野球が甘いとかじゃない」とまくしたてた。

 そのシーンは、5-4の7回に起こった。無死二、三塁から一ゴロで三塁走者が本塁へ突入。激突された森は、しばらく立ち上がれなかった。その後も、1死一、二塁から右前打で本塁を狙った二塁走者が、森をはね飛ばしてホームを踏んだ。「審判は『本塁を取りにきている』と言う。あれでぶつかられたら、死んじゃう」と小倉監督。抗議も受け入れられなかった。

 このプレーの前には、ベースの外側に立っていた三塁田村が、走者と接触。転倒して左肘を強打したが「これ以上(森に)ケガをしてほしくない」と小倉監督に直訴し、8回裏からマスクを被った。後味の悪いV逸となったが、今日8日には韓国との再戦が控える。小倉監督は「日本の野球は違うんだというのを見せたい。マナー良くやりたい」と悪夢の敗戦を拭い去るように言った。【今井恵太】