<高校野球練習試合>◇25日◇桐蔭学園グラウンド

 今夏の甲子園で1試合22奪三振の新記録を樹立した桐光学園・松井裕樹投手(2年)が、今年最後の対外試合登板した。今夏神奈川大会決勝で戦った桐蔭学園との練習試合に先発。6回6安打7四死球3失点と制球を乱したが9三振を奪った。けん制で3人の走者を刺すなど、機動力対策で進化した姿を披露した。試合は5-5、3-2で桐蔭学園の1勝1分けだった

 これまでとひと味違う松井がマウンドにいた。1回1死一、二塁。振り向きざまの二塁けん制で走者を殺した。2、3回には一塁走者をけん制で誘い出し、ピンチの芽を摘み取った。甲子園では常総学院(茨城)に3盗塁を許すなど、機動力でかき回され5失点。準決勝で大阪桐蔭に敗れた岐阜国体でも課題に挙げていた。野呂雅之監督(51)は「相手は揺さぶってくる。2カ月弱きちっとやらせた。新バージョンができた」と目を細めた。

 打者に対しては、カーブを多投した。こちらも野呂監督から「カウントを取る精度を上げるように」と、宝刀のスライダーを見逃された際の対策として与えられていた課題。鈴木航介捕手(2年)は「見逃し三振も取れた」と手応えをつかんだ。松井は学校の方針で取材対応しなかったが、来秋ドラフトの目玉左腕は確実に成長を続けている。【斎藤直樹】