儀式のダンスを学ぶ!?

 第85回選抜高校野球大会(22日開幕、甲子園)に21世紀枠で初出場する遠軽(北海道)は10日、埼玉・大宮西高グラウンドで練習試合2試合を予定していたが、1試合目の広尾(東京)戦の途中で強風のため中止となった。帰り際には、2試合目に対戦予定だった大宮西から、ダンスの“おみやげ”をもらい、甲子園でも活用する。

 最大風速22・5メートルの強風により、1試合目の途中で中止を余儀なくされた。4回表、遠軽のエース右腕、前田知輝投手(3年)がマウンドに立ってほどなく、グラウンドを黄色い土ぼこりが舞うようになった。10分後には、砂で視界不良になった。「コンタクトがずれた!」と叫びながら、前田が風のおさまった一瞬のスキをついてベンチに戻った。

 開幕まで2週間を切って貴重な2試合を奪われたがチームに動揺はない。「(9日までの)3試合で実戦感覚は取り戻せましたし、収穫も多かった」と、前田は前を見据えた。今日11日にいったん、遠軽に戻り、13日からの関西遠征を経て開幕日を迎える。

 この日の帰りがけには、大宮西ナインから、ラグビーのニュージーランド代表オールブラックス風のエールを受けた。通常はモチベーションを上げるため試合前に行うもので、遠軽でも取り入れることを決めた。大宮西の高梨瑞樹一塁手(3年)から振り付けを習った柳原亨一塁手(3年)は「甲子園のテレビカメラの前でやります」と力強く話した。

 遠征中に関東の強豪校と2勝1敗の戦いをした自信と、新しいメンタル向上法を胸に、遠軽ナインが次のステップに向かう。【中島洋尚】