<センバツ高校野球:聖光学院4-3鳴門>◇28日◇3回戦

 聖光学院(福島)はドラフト候補、園部聡内野手(3年)の2季連続バックスクリーン弾で8強一番乗りした。

 主砲の1発が勝利を引き寄せた。3-3の同点で迎えた7回2死。2ストライクと追い込まれた聖光学院の4番園部がファウルで3度粘った末、8球目の直球を捉えた。バックスクリーンに入るのを見届けながら、右手でガッツポーズ。「歓声もすごくて最高でした」。昨夏甲子園の浦和学院戦に続く2大会連続のバックスクリーン弾でチームを初のベスト8に導いた。

 3季連続で4番として出場。新チームで副主将となってからは気負い過ぎて、スランプに陥った。だが1日最低1000本の素振り、上体が伸び上がるフォームの改善をするなど努力を重ねた。体重も秋から8キロ増やし90キロに。「スイングしてきた自信がある。いい感じで振れている」。ひと冬越え、迷いがなくなったバッティングが高校通算44本目を生んだ。

 一塁を守るが、昨秋の東北大会後はプロを見据え三塁の練習に励む。ロッテ井辺スカウトは「今大会であれだけヘッドスピードのある選手はいない」と評価した。今季のチームのテーマは園部が提案した「武士」。仲間のために魂を込めて打ちまくる。【高場泉穂】

 ◆園部聡

 そのべ・さとし。1995年(平7)11月10日、福島県いわき市生まれ。小5でソフトボールを始める。聖光学院では1年秋からベンチ入り。12年春夏に4番一塁手で甲子園に出場する。趣味は天体観測。180センチ、90キロ。右投げ右打ち。

 ◆福島県勢のセンバツ8強

 71、00年の福島商に次いで13年ぶり3度目。過去2度は準々決勝で敗退。

 ◆福島初の通算2号

 聖光学院・園部が昨夏の浦和学院戦に次いで本塁打。福島県の選手が甲子園で本塁打2本は初めて。また、同県勢のセンバツでの本塁打は71年関川博己(福島商)91年白土一成(学法石川)に次いで22年ぶり3本目。