<センバツ高校野球:浦和学院17-1済美>◇3日◇決勝

 浦和学院(埼玉)の2年生左腕小島和哉が、左手を空に突き上げた。「夢みたい」という初優勝で2年生エース対決を制した。8安打を浴びるなど「今日の試合の立ち上がりが甲子園で一番大変だった」と振り返った。序盤は疲労から球が高めに浮いた。2回に1失点したが、粘り強く投げ抜いた。大会通算3失点で防御率は0・64と驚異的な数字を残した。

 全5試合すべてで先発し、3完投。580球を投げ抜いた。昨夏の甲子園では「気持ちが逃げてしまう部分があった」と精神的な弱さがあった。しかし、新チームから背番号1を託され、変わった。2試合で途中交代した際は悔しさを見せるなど「マウンドにいる間は堂々としてないといけない。だから全試合に投げ抜きたいんです」。次は春夏連覇が目標だ。「球速を上げて、体力をつけたい。夏は全試合投げ抜きたいです」と、先を見すえた。

 ◆2年生の優勝投手

 最近のセンバツでは04年福井優也(済美)以来。他に57年王貞治(早実)63年池永正明(下関商)73年永川英植(横浜)らがいる。戦前では松井栄造(岐阜商)が33、35年に下級生ながら2度優勝。