<高校野球春季岩手大会:一関学院10-0花北青雲>◇23日◇1回戦◇軽米ハートフル

 開幕を迎えた岩手で、2季ぶりの東北大会出場を狙う一関学院が、花北青雲を6回コールドで下した。先発マスクの1年生高橋柊也(しゅうや)が相手打線を2安打に抑える好リード。攻撃でも2安打1盗塁で勝利に貢献した。

 1年生捕手・高橋が堂々の県大会デビューを果たした。先発樋口朝陽(3年)は4回1安打5三振、続く山内稔(2年)も2回1安打2奪三振と、先輩の好投を引き出した。軟式から硬式野球にシフトし、まだ2カ月弱。高橋は「まだワンバウンドの弾み方が違うので慣れません」と謙遜するが、この日は目立ったミスはなし。抜てきした沼田尚志監督も「どっしりと、落ち着いてやっている」と褒めたたえた。

 チームに合流したのは4月7日。その2週間後には、俊足と二塁まで2秒の送球の速さを買われ、練習試合に出場した。そのまま同じ1年生の田村裕哉内野手とともに地区大会でベンチ入りし、うち2戦で先発マスクをかぶった。「こんなに早く出られるとは思ってなかった。(先輩へ)気遣いは大事ですが、楽しくやろうと思ってます」。臆せず、捕手として強豪チームを引っ張っていくつもりだ。

 ルーキーながら監督からはリードを全面的に任されている。「配球は下手くそなんで…」というが、内外角の出し入れなどは先輩捕手に聞き、“女房”としての勉強は欠かさない。背中を痛めているプロ注目右腕白鳥翔(3年)は、現在復帰へ向け調整中。勝ち進めば、東北大会では投げられる見込みだ。エースを気持ちよく迎えるため、自分の成長で、東北大会の切符を手に入れる。【高場泉穂】

 ◆高橋柊也(たかはし・しゅうや)1998年(平10)1月29日、岩手県一関市生まれ。涌津小2年の時、涌老野球クラブで野球を始める。花泉中では軟式チーム「花泉ジュニアBBC」に所属。中3で県優勝。175センチ、72キロ。家族は両親、弟2人。血液型0。軟式球で遠投95メートル。