<高校野球春季秋田大会:能代松陽4-2角館>◇24日◇2回戦◇こまちスタジアム

 秋田で能代松陽が角館を下し、8強入りを決めた。1点差とされた直後の7回裏、3番山打大樹内野手(3年)が右中間へ適時二塁打を放ち、突き放した。昨夏に屈辱を味わった181センチ、105キロの大砲が、最後の夏に向けてチーム打撃に徹している。

 リンゴを握りつぶせる腕力で、軽々と外野の間を割った。1点差とされた直後の7回裏1死二塁。外角のスライダーに体勢を崩された山打は、左手1本で右中間まで運んだ。4回の第3打席は、思い切り力んでボテボテの投ゴロ。工藤明監督(37)は「当たるだけであれだけ飛ぶし技術もある。いつもなら(力んで)三振だったけど、よく打ってくれた」とたたえた。

 能代商と能代北の統合で現校名となって初の県大会。3打数1安打1打点と安打を“山”のように“打”つことはできなかったが、勝負強さを印象づけた。昨夏の秋田大会決勝では、秋田商に3-4で逆転サヨナラ負け。不振で途中交代を告げられた悔しさは忘れない。「みんなのためにやらないと」と、高校生活最後の年に懸けている。

 181センチ、105キロ。小学校時代は柔道にも取り組み、秋田県で優勝したこともある。中学はどちらかに絞らなければいけない。揺れていた小6の時、急性クモ膜下出血で亡くなった父広幸さんが言ってくれた。「野球をしたいなら野球をやれ。頑張れ」。中学3年間は野球に重きを置いた。

 高校では125キロあった体重が20キロ減るほど練習に打ち込んできた。その体格から「ドカベン」と呼ばれることもあるという。くしくも、野球漫画「ドカベン」の山田太郎も高校入学前は柔道家でもあった。明訓高校を勝利に導いた山田のように、山打も勝負強い打撃でチームに貢献する。【今井恵太】