<高校野球春季東海大会:常葉学園菊川7-2栄徳>◇24日◇1回戦◇三重・松坂球場

 常葉学園菊川(静岡1位)は3番遠藤康平内野手(3年)の2打席連続本塁打などで栄徳(愛知2位)に勝利した。

 遠藤のバットが、5度目出場の常葉菊川に春の東海初勝利をもたらした。まずは1回。2死から4球目の変化球を左翼ポール際へ運ぶ先制ソロ。「フェンス直撃かと思った」と両翼92・8メートルの狭さに謙遜も、県大会決勝に続く公式戦2試合連続本塁打は、節目の高校通算10号となった。さらに4回無死では、3球目の直球を左中間最深部にたたき込む11号だ。今月19日の練習試合までの不振から、スイングの際に体が開く点を修正。「練習が打席で生きた」と笑った。

 走塁と守備でも非凡なセンスを見せた。8回2死二塁から敬遠で出塁すると、主将の4番松木大輔捕手(3年)の左前打を相手が失策した間に三塁へ。さらに「レフトがショートに返すと思って」と、自分を見ていない隙を突き一気に生還。ダメ押しの7点目を挙げた。直後の守備では、1死一、三塁からの遊ゴロを素早く二塁へ送球し併殺。反撃の芽を摘み取った。万能ぶりを発揮した中でも、一番良かったのは「バッティング」。中軸の誇りをのぞかせた。

 今日25日は三重王者のいなべ総合学園と戦う。相手のエース岡謙斗(3年)は左腕。この日の常葉菊川は、投手が左に代わった6回以降1安打に封じられた。1人目で対戦した遠藤は空振り三振。「いなべも左だと思うので、イメージを作りたい」と反省は忘れない。この日完投した岡が連投となった際には、センバツ16強の打線が負けるわけにはいかない。【石原正二郎】