第95回全国高校野球選手権(8月8日から14日間・甲子園)の埼玉大会(7月10日開幕)の組み合わせ抽選会が18日、さいたま市内で行われた。Aシードの花咲徳栄は初戦の2回戦、12日に狭山工と対戦する。今秋ドラフト上位候補の若月健矢捕手(3年)が見据える先は、センバツ優勝校の浦和学院を倒しての全国制覇しかない。その浦和学院は12日に登場、初戦2回戦で志木と対戦する。両校とも順当に勝ち上がれば決勝で対戦する。

 花咲徳栄の初戦の相手は、狭山工に決まった。センバツ優勝校の浦和学院とは決勝まで当たらない。だが、若月は今からライバルを強烈に意識している。「どこがこようと負けません。負けられないです。浦和学院に勝たないと意味がないので」。浦和学院には昨秋の関東大会決勝で2-3と惜敗。今春の県大会決勝では0-8と惨敗した。何としても倒さなければいけない相手だ。

 センバツ大会で快進撃をするライバルの報道を目にするたびに「何で俺らじゃないのか、悔しさだけがこみ上げてきました」。同じくプロに注目される浦和学院の高田涼太内野手(3年)は、センバツで3試合連続の本塁打を放った。チームとしても、そして個人としても浦和学院への意識は高まった。

 チームメートの楠本泰史内野手(3年)が言う。「あいついつも高田の話ばかりしてますよ」。高田のスイング、変化球に対応し、広角に打ちわける技術。自分に足りないものが高田にはあると感じていたようだ。ただ近くに最高のライバル校があり、刺激を受ける好打者がいる。浦和学院、高田への思いを糧に、決勝まで絶対に負けられない戦いが始まる。【栗田尚樹】