第95回全国高校野球選手権記念宮城大会(同13日開幕)の組み合わせ抽選会が20日、仙台市内で行われた。今夏限りで五十嵐征彦監督(37)が退任する東北が、2回戦で登米と対戦することが決まった。

 東北の大沼優平主将(3年)は、目に入ったくじに迷うことなく手を伸ばした。春は準々決勝敗退で、3年ぶりのノーシード。初戦の相手が登米に決まり「1戦1戦、先を見ずにやるだけ。春はああいう形で負けたので、最後の夏にかける思いは強い」と力強く語った。現3年生は甲子園に出場したことがないだけに、並々ならぬ思いがある。

 今年、最後の夏を迎えるのは3年生だけではない。すでに、五十嵐監督が今夏限りで退任することが決まっている。勝っても、負けても、野球部から一緒に“引退”する。5月にその事実を告げられた大沼は「1年の時から自分たちの代は面倒を見てもらっている。突然だったので驚いた」と振り返る。

 大沼自身、五十嵐監督とは浅からぬ縁がある。同校OBの兄尚平さんが、ダルビッシュ有(現レンジャーズ)と同級生。03年夏の甲子園で準優勝した時も3番中堅のレギュラーだった。兄の応援に駆けつけていた大沼少年は、当時コーチだった五十嵐監督と面識があった。時を経て、今は主将と監督という間柄。「まさかこういう風になるとは思わなかった。監督さんのためにも最後の夏にかけたい」と恩返しを誓った。

 11年のセンバツを最後に甲子園から遠ざかるが、春の中部地区大会決勝では仙台育英に3-2で逆転サヨナラ勝ちを収めた。恩師の花道を飾るためにも、死に物狂いで頂点を狙う。【今井恵太】