<高校野球大阪大会:大阪桐蔭4-3阪南大高>◇22日◇4回戦◇南港中央球場

 夏の甲子園連覇を目指す大阪桐蔭が阪南大高との接戦を制し、5回戦に進んだ。昨年の甲子園春夏連覇メンバーの笠松悠哉内野手(3年)が勝ち越しアーチとダメ押しの犠飛。史上7校目の偉業を知る選手が、力を発揮した。

 「恐怖の5番」が復活した。1-1の4回1死で、笠松が左翼へ高校通算17号の勝ち越しソロ弾。「大会に入って、西谷先生に『前で捉えろ』と言われてきた。今日打ってベンチに戻ったら『前で捉えられていたぞ』と言われました。調子を上げていけそうです」。7回は4点目の犠飛を放った。1点差の接戦で、終わってみれば笠松の2打点が勝敗を分けた。昨年の春夏甲子園3アーチの打棒が、ついに目覚めた。

 5番は今夏初。西谷浩一監督(43)は「(6番から)5番に上げることで何かを感じてほしかった」と言う。3回戦・箕面学園戦はチームは5安打4点どまり。起爆剤になってくれ~の思いを込めた昇格だった。

 本人は「ぼくは5番というより6番、7番、8番」と謙虚だが、昨年の甲子園は「5番・笠松」が大暴れした。選抜大会2回戦・九州学院(熊本)戦は、4番の田端良基の負傷離脱で、1回戦の8番から5番に昇格。0-2の6回2死一、二塁で大会屈指の左腕、大塚尚仁(現楽天)から逆転3ラン。準決勝・高崎健康福祉大高崎(群馬)戦でも、2試合ぶりに5番に入り甲子園2号を放った。

 左手小指裂傷から回復途上の主砲、森友哉捕手(3年)は7回無死一、二塁で3点目の適時二塁打。森友は、前打席の5回2死二塁は敬遠されている。「仕方ないです」と笑ったが、今後ここ一番での敬遠策は可能性大。だが後ろに「恐怖の5番」が控えていれば、そうそう歩かせてはいられない。「勝ったものが強い。一戦必勝です」と誓った笠松が、目の色を変えた。【堀まどか】