<秋季高校野球静岡大会:御殿場西7-5常葉学園菊川>◇16日◇2回戦◇浜松

 御殿場西(東部5位)が夏の県代表の常葉学園菊川(西部2位)に延長10回の末、勝利した。終始リードしながら8、9回に2点ずつ奪われ延長へ。10回表に代打馬場滉太(1年)が初打席で決勝打を放った。投げては夏のエース佐藤圭生(2年)が完投。昨秋のリベンジを果たした。

 御殿場西が粘り腰で夏の王者を振り切った。9回裏2死二、三塁から遊撃内野安打で同点にされる。野手は5失策したが、「背番号9のエース」佐藤圭は「点を取ってくれると思って信じて投げた」と汗をぬぐった。夏の背番号は1。今回は県大会は「頑張ったやつに1番を与える」という鈴木久監督の考えだ。

 だが、マウンドで背番号は関係ない。1番に入った常葉菊川の桑原樹(2年)から空振り三振を奪って幕を開けた。佐藤圭は「ストレートが走ってスライダーもよかった」。終盤に息切れしたが「先輩たちの代でも負けてる。キクガワには勝ちたかった」と話した。

 足を引っ張ったバックもおいしいところを持って行った。9回裏2死二、三塁。遊撃へのゴロに稲持成(じょう=2年)は待って捕球しただけ間に合わなかった。そして延長10回表。無死から稲持が四球で出塁し二進後、決勝のホームを踏んだ。稲持は「打ってこいと言われて。自分のミスで追いつかれたからホームまで走ろうと思った」と苦笑い。仲間には頭を下げ感謝した。

 昨秋は東部2位ながら常葉菊川に1-4で初戦敗退していた。鈴木監督は「リベンジできた。粘りが出てきた」と、一戦ごとにたくましくなってきたチームに目を細めた。次は4強をかけて静岡商と対戦する。【加納慎也】