「勝・勝コンビ」で勝つ!

 明日16日開幕する明治神宮野球大会(東京・神宮球場)に東北代表として2年ぶり3度目に出場する八戸学院光星(青森)は、いとこ同士で名前が上から3文字同じの新井勝貴(かつたか)と新井勝徳(かつのり)両外野手(ともに2年)が17日の今治西戦で先発する見込み。東北大会後、調子を上げている2人が大舞台で勝利を呼び込む。

 八戸学院光星の「新井勝貴」「新井勝徳」。10月、盛岡で行われた秋季東北大会で、通常2文字で表されるスコアボードの名前部分に4文字が並び注目を集めた。名字も名前の最初1文字も一緒のため、チーム内での呼び方は尻の1文字で「タカ」と「ノリ」。兵庫出身でいとこ同士。同じシニアチームから八戸にきた2人が、そろって力を付けつつある。

 「ノリ」こと勝徳は、186センチ、72キロと細身だが勝負強いバッティングが武器。東北大会では「6番右翼」として4戦全てで先発し、決勝の2ランを含む16打数5安打4打点の成績で勝利を呼び込んだ。仲井宗基監督(43)も「調子を上げてきている」と話す通り、東北大会後も好調をキープし、練習試合では5番に定着。本来は右腕だがチーム事情から外野手を務める勝徳は「バッティングで貢献したい。(神宮は)自分を売り込める場所」と神宮で暴れるつもりだ。

 一方の「タカ」こと勝貴は172センチ、63キロと小柄で、機敏な守備が持ち味。東北大会では3戦いずれも途中出場だったが、ここに来て「2番中堅」に固まりつつある。1年秋からベンチ入りも、なかなか出場機会に恵まれなかった勝貴は「神宮はスタメンで出たい」ときっぱり。東北大会後は、バント技術を高めるべく通常のヒッティングとバントを交互に打ち続けてきた。「チームが1つでも勝てるように」。磨いたバントで2番としてきっちり仕事を果たす。

 一昨年は光星学院、昨年は仙台育英と、過去2年は東北勢が優勝し「神宮枠」を持ち帰ってきた。「もちろん優勝したいです」と勝貴、勝徳コンビ。東北勢3連覇で、センバツへ弾みをつける。【高場泉穂】