日本一足の速い中学生・五十幡(いそばた)亮汰外野手(15)が、4月から佐野日大野球部に入部することが17日、分かった。

 昨年8月の全日本中学校陸上競技選手権大会(愛知)で100メートル(10秒92)、200メートル(21秒81)で2冠を達成した俊足。「100メートルの自己ベストを更新してうれしかった」と語ったわずか2週間後、ジュニアオリンピック標準突破記録会で10秒79を出してまた自己ベストを更新した。

 野球では、世界で韋駄天(いだてん)走りを見せた。11月の15Uアジア・チャレンジマッチ(愛媛)決勝では二塁手の前に転がる平凡な打球をセーフにし一躍注目を浴びた。また、足だけでなく肩も強い。所属する東京神宮リトルシニアの丸山完二監督(74)は「肩と足は天性のもの。この2つを最初から持っている子は初めて見た」とヤクルトの元ヘッドコーチも才能を絶賛している。

 高校は約20校あった選択肢の中から環境の整った佐野日大に進む。「小学校のころからプロ野球選手になりたかったので、野球1本でいきます」と今後は二刀流を封印。球界のスピードスターを夢見て、4月から高校生活を全力疾走する。

 ◆五十幡亮汰(いそばた・りょうた)1998年(平10)11月27日、埼玉県生まれ。50メートル5秒7(手動計測)の俊足と強肩が持ち味。行田東フェニックスで野球を始め、長野中入学と同時に東京神宮リトルシニアに所属し投手から中堅手に転向。中学の陸上部では距離選手として活躍した。体重を増やすため、最近は就寝前に餅5個を食べるのが日課。171センチ、57キロ。右投げ左打ち。家族は父と姉。

 ◆プロの主な快足選手

 近年は100メートルの記録はほとんど残っていないが、過去には大洋(現DeNA)屋鋪要、日本ハム井出、西武大塚らが10秒9を出している。50メートルではロッテ加藤が5秒68(手動)、巨人大累、DeNA荒波らが5秒8で走る。