140キロの大台に乗った!

 21世紀枠で第86回選抜高校野球大会(21日開幕)に出場する小山台(こやまだい=東京)が15日、兵庫・西宮市内で大東(島根)、西宮南(兵庫)と練習試合を行い、大東戦を3-1で制し今季初勝利を飾った。エース右腕の伊藤優輔投手(3年)が、試合では初めて140キロをたたき出し最速を更新。2回4奪三振無失点と好投し、本番へ向け勢いづいてきた。

 “待ってろ履正社(大阪)”と言わんばかりの投球だった。8回。リリーフ登板した伊藤は、いきなり自己最速の139キロを投じて空振り三振に仕留めた。だが、これでは終わらない。9回、最後の打者のバットが空を切った球は何と140キロ。打者6人を25球で料理し自己最速を更新した。

 短期間できっちり修正した。8、9日には練習試合を3試合行い完敗。伊藤は2試合6イニングを投げたが制球が定まらず13失点した。この日はボールが先行することもなく、スライダー、スプリットなど変化球でも三振を奪った。「あまり力を入れて投げませんでしたが感覚は良かったです。久しぶりにいいピッチングができました」と進化した姿を見せつけた。

 チームも今季初勝利。1試合目は無失策で逆転勝ちし、2試合目は3点を追う9回表で同点に追いついた。バスターなど小技もきっちり決まり“らしさ”が出てきた。「公式戦の前に1回勝てて勢いに乗れると思います」と伊藤。エースもチームも、関西の水が合ってきた。【和田美保】

 ◆伊藤優輔(いとう・ゆうすけ)1997年(平9)1月14日、東京都生まれ。小3から野球を始め尾久八幡中ではクラブチームの荒川ウェーブに在籍し3年夏に都大会優勝。Kボール都大会も優勝し、関東大会は4強。小山台では1年夏からベンチ入りし、同年秋からエース。球種は直球とカーブ、スライダー、スプリット。178センチ、71キロ。家族は両親。右投げ右打ち。