<高校野球春季宮城大会:東陵4-3松島>◇20日◇東部地区◇2回戦◇石巻市民球場

 センバツ後初の公式戦に臨んだ東陵が、苦しみながらも接戦をものにした。昨秋県大会8強の松島と対戦。延長11回の末、伊東拓人捕手(3年)の適時打でサヨナラ勝ちした。左前に殊勲打を放った伊東は「つまって形はよくなかったけど、11回まで投げている佐藤のためにも」。意地の一打で勝負を決めた。

 試合開始早々、東陵は2つの内野失策で無死一、二塁。緊張がプレーに表れた。しかも相手のサイド右腕大井を捉えられず5回まで0-0。走塁ミスも連発するなどぎくしゃくしたまま1-1で延長に突入した。

 吹っ切れたのは10回、松島に2点を勝ち越されてから。裏の攻撃に入る前、千葉亮輔監督(43)は「腹くくれ」とハッパをかけた。結果、先頭から2連続安打で1点差。その後、押し出しを誘い同点に追いついた。同監督は「2点だったから思い切って行けた。いい勉強させていただいた」と接戦の勝利を喜んだ。

 山崎誠悟主将(3年)は「甲子園は終わったこと、と言い聞かせていたけど、油断、プレッシャーがあったのかな」と振り返り「守備を修正していきたい」。春夏連続甲子園出場へ、苦しんだ再スタートを糧としていく。【高場泉穂】