<春季高校野球静岡大会:常葉学園橘7-0浜松開誠館>◇27日◇2回戦◇浜松球場

 常葉学園橘が浜松開誠館にコールド勝ちし、2年連続7度目のシード権を獲得した。エース木村聡司(3年)が3安打完封し、打線も捻挫から復帰した背番号「10」の池谷陽介(3年)がダメ押しの2点本塁打を放ち圧勝した。5月3日の準々決勝では、中部地区予選準々決勝で敗れた東海大翔洋と対戦する。

 エース木村が今季最高の投球でシード獲得に貢献した。変化球をうまく織り交ぜ、要所では140キロを超える直球をズバリ。前日26日の御殿場西戦で126球を投げたが、連投の疲れは感じさせず、常に有利なカウントで打者を追い込んだ。7回86球を投げ3安打8奪三振で四死球はわずか1。制球難と直球で押し切って返り討ちされた地区予選とは別人だった。黒沢学監督(37)も「地区予選で反省し、夏に向けての成長が感じられる」と笑みがこぼれた。

 木村は「全力で投げたのは5、6球。直球にも強弱が付いて変化球も入れていい組み立てができた」と振り返った。昨秋の東海大会では春の甲子園ベスト4の豊川(愛知)に惜敗し、木村は「去年の秋に東海大会で負けたので、春にまた、東海大会に戻りたい思いがある」と上を見据える。

 打撃でも、地区予選直前に左足首捻挫で離脱していた強打者の池谷が復帰し、5回裏には右翼ポール際に2点本塁打を放ち復調をアピールした。準々決勝では地区予選で敗れた東海大翔洋と対戦する。エースは「中部大会で負けたことで投球を見直したし、今につながっている」とリベンジを誓った。【岩田千代巳】