<高校野球春季静岡大会:日大三島8-6静岡>◇6日◇決勝◇草薙球場

 決勝は日大三島(東部1位)が静岡(中部1位)に競り勝ち、20年ぶり3回目の優勝を果たした。初回に中泉圭祐の2点本塁打で先制すると、その後も加点。先発の小沢拓馬(ともに3年)が7回2失点で試合をつくり、継投で逃げ切った。3年前に裾野リトルシニアで日本一になった2人が県制覇に貢献した。

 日大三島が20年ぶりに金メダルを手にした。当時2年で出場していた川口剛監督(36)は「あのときは3年生に引っ張ってもらった。今回も3年生が力を出してくれた」とうなずいた。

 まずは中泉だ。カウント1-1から内寄りのスライダーをフルスイング。自身18本目は中堅への125メートル弾となった。中泉は「芯だったし角度的にも入ると思った」と笑顔をふりまいた。2-0でリードした3回にも右前適時打を放ちこの日は3打点。2点差ということを考えれば、中泉のバットがチームを勝利に導いた。

 裾野リトルシニアで臨んだ日本選手権決勝では、1-1で迎えた最終回7回2死二塁で遊ゴロ。しかし全力疾走し一塁でセーフになると、二塁走者がサヨナラの生還を果たし日本一に輝いた。中泉本人は好機に内野ゴロに倒れた悔しさから、一塁への全力疾走からずっと泣きじゃくっていた。あれから3年たち精神的に強くなった。この日は涙はなく終始笑顔だった。

 投げても小沢拓が立ち向かった。昨秋県大会2回戦で静岡と対戦し、救援した小沢拓は延長10回に先頭の岸山智大(3年)に打たれサヨナラの生還を許した。「岸山は意識した」と小沢拓。岸山には2本の長打を打たれたが「打たれてずるずるいかないようにリラックスして投げた」と修正。日本選手権決勝のときと同じように走者を許しても強気に内角を攻め、秋のリベンジに成功した。

 東海大会は過去3回出場しいずれも4強入り。小沢拓は「強いところとどれだけできるか。一丸となって挑みたい」と次のステージを見据えた。【加納慎也】