<高校野球春季全道大会:北照3-0北見北斗>◇5月31日◇準決勝◇札幌円山

 6年連続30度目出場の北照が北見北斗を下し、2年連続の決勝進出を決めた。4番・土門愛大(かなた)右翼手(3年)が2回にソロ本塁打を放ち先制。主砲の1発が決勝弾となり、9年ぶり4度目Vに王手をかけた。

 北照の4番・土門が快音を響かせた。先頭打者で迎えた2回。5球目の内角直球を左中間スタンドに運んだ。高校通算22本目、公式戦では4本目のアーチ。ダイヤモンドを笑顔で1周し、両足で軽くジャンプしながら本塁を踏んだ。「やっと4番らしいバッティングができた。やっぱり公式戦で打つホームランはいいですね」と満足そうに口にした。

 昨秋から4番を任された。「去年は打とう打とうとしていた」と、気持ちが空回りし、昨秋全道1回戦では3打数無安打でチームも敗れた。河上敬也監督(55)から「心を落ち着けて打席に入りなさい」と教えられ続けたが、責任感から気持ちばかりが先走った。5月上旬の三重遠征での練習試合。指揮官が「ここで打ってくれたらなぁ」と思っていた直後に3ラン。この1発がきっかけとなり「勝負どころで打てるようになった」と言う。

 最後の夏、自らのバットでチームを引っ張る。一塁手として出場した昨夏の甲子園1回戦。捕球時の失策で許した走者を本塁打で生還させた。「守備で足を引っ張ってしまった」と悔やむ。1年春からベンチ入りし、13年春、夏と2度聖地に立ったが、悔しさはまだ晴らしていない。「自分が中心となって甲子園に必ず行く」と意気込む。

 この日は8回にも右中間への二塁打を放ち2安打。今大会3試合11打数5安打と4番の役割を果たしている。「高校で30本打ちたい」と、本塁打の目標もある。9年ぶりの春全道制覇、2年連続甲子園出場を狙う北照には、頼れる主砲がいる。【保坂果那】