最後の夏に、夢のプロ入りを懸ける選手がいる。高校野球特集第3回は、日刊スポーツ記者がお勧めする全国の有望選手にスポットを当てる「ピカイチ打者編」。ドラフト候補の横浜(神奈川)浅間大基外野手(3年)が、夢のプロ入りへラストスパートをかける。

 50メートルは6秒1、高校通算28本塁打と長打力も兼ねる1番打者。1年時から注目され、最終学年を迎えてさらに進化した。今春の関東大会で霞ケ浦(茨城)のエース左腕から、スライダーを左翼線フェンス直撃の二塁打にした。「自分でもビックリしました。今までは左中間に打てても、レフトの定位置からレフト線への長打は打てなかったので」。体を開かずに打った技ありの一打は収穫だった。

 関東大会後にもう1つの責務を担った。投手との二刀流だ。渡辺元智監督(69)は「入学時はエースとして期待していたぐらい。(エース)伊藤の負担を減らすためにも短いイニングを放らせたい」と語る。試運転の練習試合では「まだ1人のランナーも出していません」と、“元エース候補”はやる気満々だ。

 28本塁打はチームメートの4番高浜祐仁内野手(3年)に1本差。「同級生に負けたくない気持ちもあって、頑張ってきました。勝てば自分のプレーを見せる機会も増えますし、1試合ずつとにかく勝ちたいです」と強い意志で最後の夏に挑む。【和田美保】