「打てる捕手」にプロの注目が集まる。高校通算34本塁打の九州国際大付(福岡)・清水優心捕手(3年)は、その飛距離が自慢だ。昨年秋の福岡県大会では「推定150メートル弾」をぶちかました。その長打力で甲子園への道を切り開く。

 清水の「推定150メートル」の驚弾は、7戦4発を放った昨秋福岡県大会、4回戦の飯塚戦で飛び出した。北九州市民球場の左翼ポール際場外へ。「内角の直球でした。公式戦で一番の当たりでしたね」。

 11年春センバツ準優勝を見て、九州国際大付を選んだ。8打数連続安打を打った高城(現DeNA)に憧れた。その先輩は、プロ3年目を迎えている。清水もプロを意識。昨秋から木製バットで練習を行う。「木だとはじいただけでは外野の頭を越えない。球を乗っける感じで打たないと」。練習では1人木製の乾いた快音で角度のいい打球を飛ばす。「タイミングさえ合えば、たいていの投手は打てる」と自信を見せる。

 ソフトバンクの九州担当福山スカウトは「体が大きいし鍛えがいがある。西武炭谷のような感じ。高校時代の炭谷は超えている」と評価する。清水は「DeNAと巨人(プロ5年目の河野)には捕手の先輩がいますからね」と冗談を言うが、12球団どこでもOKだ。

 この夏で退任する若生監督が「捕手としては今までで一番」と1年春から正捕手で使い続ける。プロでも2秒を切るのが盗塁阻止の目安とされる二塁送球タイムも1・88秒。強肩の上、継投で勝負する投手陣を束ねるリード面でも信頼されている。「監督を最後、甲子園で優勝させたい」。長打力で大きな夢へ挑む。【石橋隆雄】

 ◆清水優心(しみず・ゆうし)1996年(平8)5月22日、山口・周防大島町生まれ。城山小2年から東和スポーツ少年団でソフトボールを始める。東和中では硬式の岩国ボーイズ。九州国際大付では1年春からベンチ入り。遠投110メートル。50メートル走は6秒3。185センチ、88キロ。右投げ右打ち。家族は両親と弟2人。