<高校野球大分大会:津久見8-1国東高双国>◇7日◇1回戦◇別大興産スタジアム

 大分大会で7日、ニュー津久見が、ユニークな投手リレーで古豪復活へ初戦突破を決めた。3投手の継投で7回コールドと国東高双国に快勝したが、1失点に抑えたのは3組のバッテリー。3投手それぞれに専属の3捕手がつく「カップルバッテリー」でコールド勝ち。攻撃でも足を前面に押し出すなど統合3年目で平成となって初の甲子園出場へ好発進した。福岡、佐賀、熊本大会は雨天で全日程が順延。熊本は決勝が24日に変更となった。

 投手の交代のたびに「専属捕手」の交代も告げられた。津久見が3投手の1失点リレーで勝利したが、中身は超ユニークな3投手3捕手による「3組バッテリー」リレーだった。

 先発は背番号20の大野拓海(3年)で、先発捕手は背番号13の井上将徳(3年)。2人で2回2/3を1失点に抑えると、2番手バッテリーの背番号1の久保田渉投手(3年)と背番号2の川野海渡(かいと=3年)が3回を無失点。最後は6回途中から背番号10の寺井健介投手(2年)と背番号14の藤原裕次郎(2年)のバッテリーが無失点で締めくくった。大津裕也監督(55)はこう説明した。

 「うちは大黒柱がいないので継投でいくしかない。短いイニングでも責任を持たせたかった。普段から決められたコンビで練習し気心しれた仲で工夫して成長して競わせてるんです」

 誰が先発するかはその日次第だが、バッテリーの顔ぶれが変わることはない。久保田は「いつも練習から一緒だし、捕手を信頼できるので投げやすい。みんなで抑えられればいい」と笑みを浮かべた。

 攻撃では5回1死一塁から代走の高木雄也(3年)が二盗を決めた後に、暴投で一気に本塁を陥れて勝ち越し。足でチームに流れを呼び込んだ。大津監督は「昔のチームのように豪快な野球はできないが、みんなで戦わないと」と競争心を植え付けて今夏に臨んでいる。「平成になってまだ甲子園に行ってない。全国にいるOBの期待に応えるように頑張りたい」。ニュー津久見の「3組バッテリー」リレーが、88年(昭63)以来となる夏甲子園を実現させる。【浦田由紀夫】

 ◆津久見の合併

 2012年(平24)4月に臼杵商と海洋科学とを統合し、新たな津久見高校になった。今年が統合3年目で、統合1期生が今夏の3年生。校歌はメロディーは変わらないが、歌詞が臼杵商と海洋科学の一部を取り入れてマイナーチェンジされ、この日に初めて流された。野球部は春6回、夏12回の甲子園出場を誇り、1967年(昭42)センバツで優勝、夏も72年(昭47)年に全国制覇を成し遂げた。