<高校野球山形大会:山形中央5-1羽黒>◇19日◇3回戦◇荘銀・日新スタジアム

 山形中央は第6シード羽黒を下し、5年連続の8強進出を決めた。プロ注目の191センチ長身エース石川直也(3年)が5回途中から今夏初登板。4回1/3を5安打1失点も、この日最速143キロの直球を武器に7三振を奪い、勝利に貢献した。

 山形中央の石川がプロ8球団のスカウトの前で非凡な投球を見せた。5回裏2死二塁。それまで無安打投球の2年生左腕・佐藤僚亮に代わって今夏初登板。9回裏に1失点も、3者連続を含む7三振を奪うなど、エースの風格をにじませた。石川は「1点は取られたけれど仕事はできた。最後に1点でも勝っていればいい」と、被安打も失点も気にする様子はなかった。

 ストライク先行の強気の投球。「最後は一番いい球で決める」と、三振はすべて直球を決め球にして奪った。8回先頭は、この日最速の143キロで空振りに仕留めた。春の県大会後からセットポジションに変更。追い込むためにカーブを有効利用する術も学んだ。石川は「体のバランスもタイミングもよく投げられる。カーブは緩急をつけて真っすぐを生かすため。プレートを踏む位置を一塁側に変えて軌道が良くなった」と手ごたえを口にした。

 ネット裏で視察した巨人・山下スカウト部長は「2度目だが春より良くなっている。長身を生かした落差のあるカーブがいい。下半身を鍛えればまだまだスピードも出る」と将来性に注目した。チームは4年ぶりの優勝を狙う。石川は「与えられた役割をやるだけ」とエースの自覚を見せた。【佐々木雄高】

 ◆石川直也(いしかわ・なおや)

 1996年(平8)7月11日、山形県庄内町(旧余目町)生まれ。余目第二小3年から野球を始める。余目中では軟式野球部。山形中央では1年秋からベンチ入り、背番号1で翌春のセンバツに東北絆枠で出場。家族は祖父母、両親、兄2人。右投げ右打ち。191センチ、78キロ。血液型A。