<高校野球神奈川大会:横浜14-0荏田>◇21日◇3回戦◇サーティーフォー相模原球場

 横浜(神奈川)は、ドラフト上位候補の浅間大基外野手(3年)が投手として今夏初の“二刀流”に挑み、1回無失点に抑えた。

 横浜・浅間が、また観客をわかせた。14点リードの5回。中堅へは向かわず、マウンドへ上がった。ざわつくスタンドをよそにテンポ良く投げ、4番打者を縦のスライダーで空振り三振に仕留めた。後続を三飛、二ゴロに抑えた。1年秋以来の公式戦登板は11球、3者凡退。初戦(厚木西)で2打席連続アーチで幕開けし、今度は「二刀流」で非凡な才能を見せた。

 4回まで3投手による“完全試合”。緊張の中、クローザーとして出番がやってきたが、“元エース候補”の血が騒いだ。この日は最速131キロにとどまったが、入学時は最速140キロに迫る直球を誇った。渡辺元智監督(69)も「日暮(圭一)と両エースで期待していた」と語る好素材だった。ケガもあり2年から野手に専念したが、今春の関東大会後チーム事情もあり投球練習を再開した。「任されたからには頑張るだけです」と、1日置きにブルペンに入って調整した。

 3打数2安打2盗塁。6球団のスカウトを前に本家「二刀流」日本ハム大谷ばりの大車輪の活躍だ。「打って肩つくって、ちょっとしんどかった。(大谷の)大変さが少し分かりましたが、すごく充実しています」。持てる力のすべてを発揮しようとしている。【和田美保】