<高校野球南北海道大会:東海大四10-0札幌日大>◇22日◇準決勝◇札幌円山

 まさかの結果に言い訳はなかった。高校通算25本の本塁打を放っていた札幌日大の主将兼4番・松田進吾(3年)の南大会は3試合8打数無安打に終わった。春の札幌地区代表決定戦で7回コールド負けを喫した東海大四に、夏も再びコールド負け。「技術が足りなかった。ここまで連れて来てくれたチームメートに感謝します」と、涙を落としながら気丈に言った。

 小学5年の時、1本足打法にした。868本のホームランを放った王貞治氏のフォームをまねた。「体重移動で悩んでいた時に、王さんが同じ悩みで1本足にしたことを知ったので、試してみました」。公式戦で5本のアーチを放って勝利に貢献した。

 ホームランを打った時、試合に勝った時に「喜んでくれる人のために野球を続けていきたい」。小学生のころから練習の送り迎えをしてくれた両親、今大会前にも寮に駆けつけ、打撃指導をしてくれた兄の健吾さん(21=北海学園大)…。そして仲間たちのために今後もバットを振る。「チャンスは2度も3度もあるわけじゃない。プロ志望届を出します」。道内屈指のスラッガーは、秋のドラフトを静かに待つ。【中島洋尚】