<高校野球大阪大会:大阪桐蔭8-0阪南大高>◇23日◇4回戦◇万博球場

 大阪大会で3連覇を目指す大阪桐蔭が、阪南大高を7回コールドで下し16強入りした。前日の3回戦大冠戦で鼻骨骨折した主将中村誠外野手(3年)に代わって今大会初出場した7番青柳昴樹外野手(2年)が1本塁打を含む3安打4打点の大活躍。来年の4番候補が代役として期待に応えた。

 今大会初出場の青柳が主将の穴を埋めて余りある活躍だ。2回に左中間への適時二塁打で先制点を奪うと、5回にも左前適時打。さらに7回には公式戦初本塁打となる左越え2ランで試合を決めた。背番号13を付け、前日までバット引きをしていた控え選手が、突如巡ってきた出番で結果を残した。

 西谷浩一監督(44)から先発を伝えられたのは、この日の朝5時40分。寮でのティー打撃中だった。「昨日、出番があると思っていたけどなくて、今日はチャンスだと思った。いつも主将に頼っているチームだったので、前日のミーティングでも皆で勝とうと話していた。先制打で緊張がほぐれました」。

 前日の試合で主将の中村が鼻骨を骨折。手術こそ回避し、この日も鼻をテーピングで固定し、控えとしてベンチ入りしたが「昨日も痛くて寝られず、大声が出せない」状態だった。それでも主将は、各選手が打席に向かう前に必ず相手投手の特徴をアドバイス。7回の青柳の本塁打は「下手投げの投手はスライダーの後に高めの直球がくる」という中村の読み通りの球を振り抜いたものだった。

 昨秋はレギュラーながら、その後結果が出ず、くすぶっていた2年生長距離砲がここぞの大暴れ。指揮官も「持っているものは今の主力以上。もっと早くレギュラーをとらなアカンと言っていたが、よくやってくれた」と笑顔をみせた。

 箕面東との次戦は2日後の26日。中村主将の出場の可否は、前日25日に医師の診断を仰いでからの判断となるが、そんな不安も一掃する青柳の活躍だった。【福岡吉央】

 ◆青柳昴樹(あおやぎ・こうき)1997年(平9)5月19日、大阪府泉大津市生まれ。宇多小1年からソフトボールを始める。小5から庭代台サニーズに所属。誠風中に進み、忠岡ヤングで硬式野球を始める。ポジションは投手と遊撃。大阪桐蔭進学後、外野手に転向。好きな選手は日本ハム中田翔内野手。右投げ右打ち。183センチ、83キロ。