<高校野球大阪大会:履正社7-1枚方津田>◇27日◇準々決勝◇舞洲

 うわさの1年生左腕が、4年ぶりの夏の甲子園への切り札になった。履正社が枚方津田を終盤に突き放し、4強入り。2-1の7回2死一、二塁で救援した寺島成輝投手が、2回1/2を無失点でしのいだ。

 4回戦・八尾戦の6回で公式戦デビューし、4イニング無失点の力投で逆転勝ちを呼び込んだ。「きょうは1点勝っている展開での登板で、きょうの方が緊張しました。3年生の最後の夏に投げさせていただいていますから」と、まだあどけない顔に真剣な表情を浮かべた。

 打者7人に対し、32球オールストレートで5奪三振。リードした捕手の八田夏(3年)は「先発の溝田が変化球主体だったので相手の目が慣れていると思い、真っすぐで押して行こうと決めました」と振り返ったあと「他の学校に、見せたくなかったので」とにやりと笑った。カーブ、フォークを封印し、最速144キロの直球押しで反撃を封じた。

 1年前の夏は、世界の舞台にいた。8チーム参加の世界少年野球大会に出場し、優勝。そのころから名前を知られた存在だった。3日後の30日は16歳の誕生日で、大阪大会決勝日。笑ってその日を終えられたなら、寺島は全国に知られる左腕になる。【堀まどか】

 ◆寺島成輝(てらしま・なるき)1998年(平10)7月30日、大阪・高槻市生まれ。2歳で東京に引っ越し、国分寺第九小1年から「スカイホークス」で軟式野球を始め、同3年から投手転向。大阪に戻り、日吉台小4年から「茨木リトルリーグ」で硬式野球を始める。茨木東中3年夏に「箕面ボーイズ」で世界少年野球大会に出場し優勝。履正社では今夏初のベンチ入り。50メートル6秒8。181センチ、81キロ。左投げ左打ち。